【瀬木直貴監督インタビュー】オール石川ロケの映画『スパイスより愛を込めて。』が6月2日(金)より全国ロードショー!

スパイスより愛を込めて。

6月2日(金)より、『スパイスより愛を込めて。』が全国ロードショー!
“金沢カレー”の文化が根付き、「カレー店が多い都道府県ランキング」3年連続第1位に輝いた石川県金沢市。そんな金沢を舞台にしたカレー好きによるカレー好きのための、めくるめく青春スパイスムービーが完成しました。

そこで今回は、本作のメガホンをとった瀬木直貴監督にインタビュー!
撮影の裏側や作品に込めた想い、また自身も大のスパイスマニアと語る監督のカレー愛について、じっくり伺ってきました。

『スパイスより愛を込めて。』ストーリー

新たなウイルスが蔓延した影響で世界的にスパイスが不足し、カレーが貴重なものになってしまった……そんな時代。母のカレーをこよなく愛していた高校生の蓮は、希少なスパイスの香りを纏った少女、莉久に出会う。
莉久は「この世の食材はカレーになるためにある」と語るミステリアスな少女。彼女の虜になった蓮は、莉久とともにスパイス不足の謎に迫ることに……。

主人公・蓮を演じるのは、実写版映画『耳をすませば』の中川翼さん。ミステリアスな少女・莉久を、『女子高生に殺されたい』の茅島みずきさんが演じます。
さらに、蓮の両親役を務める田中美里さんと田中直樹さん、莉久の兄と両親役に福山翔大さん、横山めぐみさん、萩原聖人さん、物語のカギを握る厚生労働大臣役の加藤雅也さんのほか、速瀬愛さん、坂巻有紗、西山繭子さんが脇を固めます。

瀬木直貴監督にインタビュー!

スパイスより愛を込めて。の瀬木直貴監督

瀬木 直貴(せぎ なおき)監督 プロフィール
1963年生まれ、三重県出身。映画制作会社ソウルボート代表。立命館大学を卒業後、プロダクション勤務を経てフリーの映画監督に。主な監督作に『ラーメン侍(2012年)』や『カラアゲ☆USA(2014年)』、『恋のしずく(2018年)』など。地域や食べ物を題材とした作品に定評がある。

映画製作以外に、TV・CFディレクターやエッセイコラムの執筆、各地のまちづくりアドバイザーなど多岐に渡り活躍する。

カレーを題材とした映画を制作したきっかけは?

瀬木監督/カレーを題材とした映画を作りたいと思ったのは、5年以上前。 食べ物をモチーフにした映画には、言語や文化、宗教や政治を超えて、世界に通じるものがあると思っていて。それを深く掘り下げたいと、これまでラーメンや唐揚げ、日本酒など、世界中で愛されている日本の食文化を題材に作品を撮ってきました。カレーも、今や世論調査で日本人の好きな食べ物第1位に輝くほどの人気ぶり。カレーの映画を制作しない理由はなかったですね(笑)

けれど、カレーとスパイスに関して勉強するうちに、「これ、映画にできないかも」って思い始めて…。

カレーってみんな好みがバラバラなんですよね。カレーの材料であるスパイスは、一種類で複数の作用を持っていて、それを数十種類も調合して、さらに食材との相性まで考えて…って気の遠くなるような組み合わせですよね。(笑)同じスパイスを使っても、作る人によって全く異なる味になったり…まさに、人間の数ほどカレーがある状況に、これ本当に映画にできるかな?って諦めていた時期もありました。

ー 確かに、カレーって奥が深いです。

瀬木監督/そんなとき、ある考えが過ったんです。いくつもの色や香りをもち、騙したり、隠したり、連帯したり、強調したり…スパイスは、まるで人間そのものではないかと。そこから登場人物一人ひとりをスパイスになぞらえ、時に苦く、辛く、甘い青春の1ページをミステリー仕立てに描いてみようという、青春群像劇の発想が生まれました。

またコロナ禍を経て、みんなで一緒にご飯を食べることの大切さを改めて感じたことも、物語の制作に大きく関わっています。コロナ禍がきっかけで、生まれた映画でもありますね。

なぜ金沢が舞台に?

瀬木監督/新鮮な海の幸や山の幸があるイメージに対して、カレーのイメージとのギャップが面白いと思いました。金沢でお寿司の映画だと「あ〜なるほど!」ってなりますけど、カレーだと「え?カレー?」ってみんな思うじゃないですか。最初に企画を立てた時、周りの驚いたリアクションを見て、「これはイケる!」って確信しましたね(笑)

ー なるほど、たしかにギャップですね。ところで監督は、現地を歩きながらロケ地選びをされると伺いました。

瀬木監督/そうですね。自分の目で見て、足で歩いて、空気感を感じて、「ここで撮ろう」と決めています。オール石川ロケでの本作では、主人公の通学路として浅野川沿いが多く登場しています。穏やかで、生活の営みが感じられる情景が素敵だなと。
主人公たちの学祭シーンでは、「遊学館高等学校」のかつて円形校舎だったところが取り壊され、今は広場になっている場所をお借りしました。初めて見学させてもらった時は、まさに思い描いていた舞台にピッタリだと、こんないい場所に巡り会えるなんて奇跡だなって思いましたね。

映像づくりにかけるこだわり

瀬木監督/映画を制作するときは、机上でプランニングしてからロケ地を決める監督が多いと思うんですが、僕はその逆で、その街と出会ってから、ストーリーが生まれるんです。街に行って、そこに住む人の交流からインスピレーションを受け、その街でしかありえない世界観を作り上げています。

だから、カレーに関しては、金沢なくしてはできない。金沢という街に出会っていなければ、この映画はできていなかったですね。

本作の見どころと、読者へのメッセージ

瀬木監督/やはり登場人物をスパイスになぞらえて物語を組み立ているので、それぞれの関係性やお互いの魅力を引き立てていく様に、ぜひ注目してほしいですね。またこの映画を観て、みんなで一緒に食事することの大切さや楽しさを改めて感じてほしいなと思います。

あと、石川県民の皆さん。カレーの上にカツが乗っていて、その横にキャベツが添えてある、これは普通のことじゃないんです。県外の僕たちからすれば、スペシャルなことなんです!(笑)石川県の豊かな水、自然、食べ物、カレー全てが、まさにスペシャルなんです。映画を通して、普段何気なく触れている周りのものをもっと大切に、その素晴らしさを再発見するきっかけになればと思います。

ー 瀬木監督、ありがとうございました!

『スパイスより愛を込めて。』作品情報

瀬木監督の映画制作におけるこだわりやスタンス、そしてスパイス愛が随所に散りばめられている本作。
監督が生み出すその世界観に、きっと心を掴まれるはず。

ぜひ友人や家族を誘って、劇場に足を運んでみてくださいね。

劇場情報はこちら!

公式webサイト


『スパイスより愛を込めて。』
出演
中川翼 茅島みずき 速瀬愛 坂巻有紗 福山翔大 田中直樹 横山めぐみ 西山繭子 萩原聖人 田中美里 (友情出演) 加藤雅也
監督
瀬木直貴
監修
カレー監修:一条もんこ
調理監修:谷口直子
製作
「スパイスより愛を込めて。」製作委員会
製作協力
電通
後援
石川県・金沢市・小松市・加賀市・内灘町・日本カレー協議会
配給
ブロードメディア ⓒ2023「スパイスより愛を込めて。」製作委員会