能登半島地震から1年半。未だ不自由な暮らしが続く輪島市にて、今年8月にオープンする話題の新スポット「WAJIMANURI VILLAGE(輪島塗りヴィレッジ)」に一足早く伺ってきました!
輪島塗職人の製作風景の見学、商品の購入、宿泊もできる新しい観光拠点施設です。古くから輪島塗を支えてきた漆器店の若き店主が、全壊全焼した社屋の跡地に立ち上げました。
こちらがその「田谷漆器店」店主、田谷昂大さん。震災を機に、先代から家業を引き継ぎました。
「先代の『輪島塗の未来を作るのは若い世代』という言葉から、僕にできることをやろうと心に決めました。正直なところ不安も多いですが、輪島塗の培ってきた貴重な技術と文化を未来に繋げるべく、前向きな気持ちを奮い立たせて進めています」と率直な思いを語ってくださいました。
田谷さんが目指すのは「輪島塗のテーマパーク」。輪島塗を求め人々が能登半島へ集まる動線を作るねらいなんだそう。
そんな「WAJIMANURI VILLAGE(輪島塗りヴィレッジ)」には、ギャラリー、工房2棟、宿泊施設、その他事務所や倉庫等を合わせ、計10棟のトレーラーハウスが建ち並びます。
まず見学したいのが、こちらのギャラリー。輪島塗を実際に見て、触れて、購入することができ、飲み物を器に注いで試用することもできるそう!※飲料は施設内で購入可能
輪島塗だけでなく、有田焼やワイングラス、現代的なコーヒーカップなど多彩な食器が展示され、カジュアルな雰囲気で器選びを楽しめますよ♪
今回は、ギャラリーに展示のある輪島塗から、厳選した2点の作品をご紹介します。
1点目は「朝顔椀」。太陽に向かって思いきり花を咲かせる朝顔がモチーフで、上に向かって開く形が特徴的!「どんな状況でも前向きに」という思いが込められた作品です。
2点目は、「月を愛でながらお酒を飲む」をテーマにした「酒器揃え 月と菊」。
お盆には三日月、器には満月をイメージした沈金「彫り詰め」で細やかな菊の文様が施されています。
繊細な沈金細工と黒色漆が対照的で美しく、しっとりとした風情の漂う作品です。
そしてお次は、輪島塗職人の製作風景を見学できる工房へ。
「田谷漆器店」では、製作の全ての工程において特にゆっくりと時間をかけており、ひとつの輪島塗を仕上げるのに短くても半年、長くて5年ほどかかるものもあるのだそう。
急いで仕上げることで脆弱な器になってしまったり、漆の匂いが残留、またウルシかぶれになることを防ぐためで、すべては「気持ちよく輪島塗を使ってもらえるように」という同店のこだわりから。
昔ながらの手仕事で、職人たちが漆と対話をしながら「ゆっくり作る」。
しなやかな強さと温もりのある美しさを備えた器が生み出されていく瞬間を、ぜひ間近に体感してみてください。
さらに、宿泊施設「mira-co(ミラコ)」もニューオープン。施設内には輪島塗の器が常備されていて、自由に使いながら食事を楽しむことができるそう!
キッチンやお風呂・トイレ完備で、快適に暮らせる設備が揃っていますよ。 輪島観光のステイ先としても今後活躍してくれそうですね♪
「美しさと機能美を兼ね備えた、世界に誇れる工芸 ”輪島塗” を、能登の復興を象徴する観光コンテンツにしたい」と話す田谷さん。
輪島塗を見て、ふれて、感じて、そして学んで…。
夏休みや週末のドライブに、訪れてみては?
田谷漆器店 WAJIMANURI VILLAGE(輪島塗りヴィレッジ)
住所 | 石川県輪島市杉平町55-6 |
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TEL | 080-2376-5822 |
営業時間 | 8:30-17:30 |
定休日 | 土・日曜 |
駐車場 | ●台(共有・共用)/なし/近隣に有料Pあり |