私たちの暮らしに欠かせない「水道水」。
家族みんながいつでも安心して飲める水道水って、一体どうやって作られているの?
今回、編集部Sが親子で金沢の浄水場に初潜入!
水道水ができるまでの知られざるヒミツを覗いてきました♪
金沢の「末浄水場」に潜入!水道水ができるまでのヒミツを探ってきた♪
こんにちは!ママ編集部Sです。
水道水のヒミツを探るべく小学生5年生のダイチ君とやってきたのが、金沢市末町にある「末浄水場」。
「金沢市企業局」が管理するこの末浄水場では、川から取り入れた原水を浄水処理し、安心して飲める水道水として供給をしているそう。
喉が乾いた〜!ゴクゴク…冷たい水うめ〜!!
飲みすぎちゃダメだよ〜…そう言えば、水道水ってそのまま飲んでも大丈夫なのかな?
毎日使うものだから、本当に安全なのか気になる!!
教えて!「金沢市企業局」の藤原さ〜ん!
そこに登場したのは、「金沢市企業局」の藤原さん。
「金沢市企業局」は、水道・下水道・工業用水道の3つの事業を運営する地方公営企業。
快適な水環境を通じてわたしたちの豊かな暮らしを守ってくれる、水道のスペシャリストです!
結論から言うと、金沢の水道水は、安心してお飲みいただけます!
よかった〜ひと安心!安全な水って、一体どうやって出来ているの?
《クイズの答えは記事の後半にあるよ》
じゃあここでクイズ!ダイチ君は、どうやって水をキレイにしていると思う?
う〜ん、おいしく味付けしているとか?
う〜ん残念!でも面白いから、座布団一枚!
今回は特別に、安心して飲める水道水ができる仕組みを見に行ってみよう!
「金沢市企業局」の詳細はこちら!
公式webサイト末浄水場ってどんなところ?
「末浄水場」は、昭和5年に開設された金沢市最初の浄水施設。
今ではちょっと珍しい昔ながらの「緩速ろ過方式」と、昭和40年から導入された「急速ろ過方式」の2方式で浄水処理しています。
現在の「末浄水場」が1日に作り出せる水道水の量は、2方式合わせて105,000立方メートル。
これは、学校の25mプール約420杯分に相当するのだとか!
1日でそんなに大量の水を作り出せるなんてビックリ!
じゃあまずは、「急速ろ過方式」の仕組みを見に行きましょう!
「末浄水場」の水源は、犀川ダム。
金沢市は江戸時代から用水が発達していたことから、現在も用水の一部を利用して水を引き込んでいるそう。
取り込んだ水は、原水の水質を調べる「急速着水井(ちゃくすいせい)」という最初の池へ。
ここで小さなごみを沈みやすくする薬品などを入れ、よく混ぜ合わせます。
水道水のヒミツを発見!クイズ①
ここで、水道水ク〜イズ!
「急速着水井」の施設には、取り入れた水に体に害がある物質が含まれていないかをチェックする、ある見張り役の生物がいます。
その生物とは、一体なんでしょうか?
① メダカ
② 金魚
③ リュウグウノツカイ
う〜ん、川にもいるメダカかなぁ?
イヤイヤ、やっぱりリュウグウノツカイでしょ!
幻の深海魚が…まさか!?(笑)
正解は…②の金魚!
ダムから取り入れた水を入れた水槽で金魚を飼育し、その動きや状態を24時間監視カメラでチェックしています。
金魚の鮮やかな色は、監視カメラからでもチェックしやすいんですって。
金魚の様子がいつもと違ったりした場合は、すぐに取水を止めて水質検査を行います。
金魚ちゃん…まさに、水の番人ですね!
薬品を入れた水は、続けて「フロック形成池」へ。
水の中で水車を動かし、ごみ同士をぶつかり合わせ、重く大きなかたまり(フロック)にします。
そのまま「急速沈でん池」という設備に送り、フロックを底に沈めて取り除きます。
汚れが下に沈めば、上の部分はキレイな水になるね!
ダイチ君、正解!小さすぎて沈まないごみも、薬品と水車の力を活用してしっかり取り除いているんです。
次は「急速ろ過池」に送られるんだけど、ここまでの流れを「緩速ろ過方式」でも見てみましょう!
水道水のヒミツを発見!クイズ②
ここで再び、水道水ク〜イズ!
「緩速ろ過方式」では、ダムから取り入れた水の質や量を調べて、施設の中で一番大きな設備「緩速沈でん池」に運ばれます。
さて、「緩速沈でん池」の水の深さは一体どれくらいでしょうか?
① 約1メートル
② 約4.5メートル
③ 約100メートル
分かった、4.5メートルだ!
もしや、100メートルとか!?
正解は…②4.5メートル!
なんと、小学校の2階部分の床とほぼ同じ深さなのだとか。
ここでゆっくり時間をかけて、薬品は使わず自然の力だけで水の中の小さなごみや砂を沈めて取り除きます。
いくつも浮いている青い物体は何!?
あれは、きれいになった水をろ過池に送る管の「浮動管」。
あの「浮動管」の下から、一番キレイな部分の水を取り入れています。
なるほど〜。水面って埃とか溜まっちゃうから、あえて水面の少し下から水を取り込むんですね!
正解!大雨で水量が増えても、常に同じ深さの水をろ過池に送ることができる、意外と優秀なヤツなんです♪
「急速ろ過方式」と「緩速ろ過方式」で汚れを取り除いた水は、それぞれ「急速ろ過池」「緩速ろ過池」という大きな池に運ばれていきます。
「急速ろ過池」では、比較的大きな砂や砂利の層に、水を1日120〜150mの速さで通し、目に見えないようなごみなどを取り除きます。
一方「緩速ろ過池」では、生物ろ過膜と細かい砂や砂利の層に、水を1日4〜5mのゆっくりした速さで通し、目に見えないようなごみや細菌を取り除きます。
砂や砂利は、汚れをキャッチして水だけ通してくれるので、よりキレイな水になるんです。
「緩速ろ過池」では、砂層の上の微生物による生物ろ過膜が自然に作られます。
この微生物が、水の中の細菌を食べてくれるんですよ。
自然の力で水をキレイにできるなんて、すごいね!
水をキレイにする設備は、点検や清掃も徹底しています。
例えば「緩速ろ過池」では、3カ月ごとに汚れの溜まった砂の上部を削り取り、6年ごとに全ての砂を取り出し、洗って保管しておいた砂に入れ替える作業を行っているそう。
設備もたくさんあり大変な作業ですが、いつでも安全な水を提供するためには、欠かせない大切な仕事なんです。
素晴らしい〜…いつもありがとうございます♡
さぁ、ついに最終地点の「浄水井(じょうすいせい)」へ。
ろ過した水は、塩素という薬品を入れて消毒します。
塩素には殺菌力があり、ここで最後に雑菌などを死滅させることで、水道水の出来上がり!
水道法では、安全性の観点から蛇口時点での水道水中の残留塩素を0.1mg/L以上保持するように定められています。
残留塩素の量はごくわずかなため、水道水はそのまま飲んでも健康上の問題が生じる心配はありません。
塩素って大丈夫なのか気になっていたけれど、しっかり塩素消毒がされているからこそ、安心して飲める水になるんですね。
「おいしい水の要件」とは?
硬度・臭気度・残留塩素濃度など、国が定める「おいしい水の要件」があり、金沢市の水道水は要件をほぼ満たしています。
(※硬度:水の中に溶けているカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンの量)
(※旧厚生省「おいしい水研究会」1985年)
ちなみに「おいしい水の要件」では、硬度が10~100mg/Lであることとされており、金沢の水道水は硬度の年間平均が約25mg/Lで、全国的に見ても低いんです!
硬度が低い軟水は、味があっさりしてクセがないので日本料理にも適していて、日本茶や紅茶の香りを引き出す効果もあるんです。
お肌や髪に優しくて、胃にも優しいと聞いたことがある!軟水である金沢の水道水は、いいこと尽くしですね♡
水道水のヒミツを発見!クイズ③
では最後に、水道水クイズ〜!
「急速ろ過方式」で、ダムから取り入れた水が水道水になるまでの時間はどのくらいでしょうか?
① 約8時間
② 約1日半
③ 約3日間
やっぱり3日間くらいかかるんじゃないかなぁ?
う〜ん…僕は①で!8時間で出来たらすごいじゃん!
正解は…①8時間!
「急速ろ過方式」では約8時間、「緩速ろ過方式」では約1日半で飲み水になるんですって。
ダイチ君が朝登校して、家に帰ってくる頃には水道水になっているということですね。
めっちゃ早い!やっぱり「急速ろ過方式」が最強なの?
確かに「急速ろ過方式」は、コンパクトな設備で早く大量の水道水を作れるし、作る量を調整できるし、すごいですよね!
でも昔ながらの「緩速ろ過方式」にも良いところがあって、電気も薬品も使わないから、万が一停電になってしまった時も、水道水を作れるんです。
どっちも最強なんだね〜!!
水道水が安心して飲める理由は、他にもたくさん♪
いつでも水道水を安定供給できるよう、コンピュータを使って市内にある配水池などの運転を集中管理し、異常がないか24時間体制で監視しているのが、末浄水場内にある中央管理室です。
基本的にはコンピュータで自動操作していますが、急な大雨や大雪時には、手動で操作をしているのだそう。
テレビで見るやつ!かっこいい!
また、毎月市内の13地点の水を実際に汲み、浄水場内にて水質調査を行っているそう。
専門家が細かく水質を検査して、安全性をチェックしています。
他にも水源の環境を守るために、植樹活動や水道水源保全区域での清掃活動、森林パトロールなどを実施しています。
たくさんの工夫と努力で、安全でキレイな水道水ができているんですね。
見学したら、水をゴクゴク飲みたくなってきた〜!
というわけで…水道水クイズ【導入編】の答えは、「ダムから取り入れた水を自然の力や設備を使い、たくさんの手間と時間をかけてキレイで安心な水道水にしている」でした!
いざという時に…役立つ備えには水道水を!
水道水は、いざという時の備えにも。
普段の暮らしの中で、私たちができることをご紹介します。
断水に備え、飲料水は「1日1人3リットルを3日分」を目安に備蓄がおすすめ。
水洗トイレなどの使用水として、お風呂の残り湯はすぐに排水せず、浴槽に水を張っておきましょう。
宅地内の水道管が破裂した場合に、すぐ対応できるように備えておきましょう。
【水漏れの発見方法】
①家の中の蛇口を全て閉めます。
②水道メーターの蓋を開け、パイロット(銀色のコマ状の部品)がまわっているかご確認ください。
③パイロットがまわっていれば水漏れしている可能性があります。水漏れしている場合、水道工事店(企業局指定給水装置工事事業者)に修理(有料)をお申し込みください。
www2.city.kanazawa.ishikawa.jp
いつでも安心・安全に飲める、金沢の水道水。
私たちは普通に生活しているだけでも1日に2.5Lもの水分が失われているものの、食事中の水分や体内でつくられる水の量は1.3Lのみ。
水分摂取量が不足すると熱中症等の健康障害をきたす可能性もあるので、こまめに水を補給することが大切なんです。
起床時や入浴前後、就寝前など、ぜひ暮らしの中でこまめに水を飲む習慣をつけ、健康維持にも役立てましょう!
金沢市企業局
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