およそ400年前から金沢市民の生活のそばにあった「鞍月用水」。
この用水に寄り添うようにすらりと続く遊歩道「せせらぎ通り」は、おしゃれなショップや人気の飲食店が多く立ち並ぶスポットです。
今回は、せせらぎ通り沿いにあるお香の専門店「香舗 伽羅(きゃら)」に行ってきました。
せせらぎに耳をそばだてながら歩くと、右手にお店の看板が見えてきます。
せせらぎ通り沿いの「香舗 伽羅」で、自分好みの香りを探す
入り口の扉を開けると、最初に飛び込んでくるのは景色ではなく「香り」。
どこかで嗅いだことのあるような、心地良い和の香りが鼻先をくすぐり、心が落ち着いていくのがわかりました。
香気をまといながら店内を見渡すと、仏事に用いるようなシンプルなものから、目に楽しいカラフルなものまで、ずらりと並んでいます。
「伽羅(きゃら)」は香木の一種で、最も貴重なものの一つ。写真はその伽羅を包んだ「おもいば」。
豆皿のように小さくてカラフルな「香立」。一つひとつ違った模様がかわいい。
天然香料を使い、一本の紐で結び上げられた「香袋」。お部屋のインテリアとしても使えそう。
シルクと水引で作られたポップな香袋「かなざわかおり」も。
伽羅では、伝統的な和の香りだけではなく、お花やハーブの香りなど、豊富な種類の中から好みの香りを試して選べます。
ただの和ろうそくじゃない。一つひとつ手描きされた石川県の伝統工芸品「七尾和蝋燭」
本当にいろんな種類のお香があるなかで、特に気になったのがこの「手描絵ろうそく」。
石川県七尾市の「高澤ろうそく」で作られた和ろうそくで、植物の曲線をイメージしたフォルムが特徴。
絵柄は一本一本職人の手で描かれていて、同じものは一つとしてありません。
和ろうそくには全国にいくつか種類があって、これは「七尾和蝋燭」という石川県の伝統工芸品。
「仏前に枯れない花を添える」という思いから作られたようで、冬など花の用意しにくい時期でも仏前が華やかになると重宝されたそうです。
あまりに綺麗で思わず購入した「手描絵ろうそく」。中秋の名月をイメージした黒の和ろうそくが特にお気に入り。
視覚ではなく「嗅覚」で愉しむ、古都・金沢の午後
「香舗 伽羅」では、今回紹介したものの他にも、お土産や贈り物にぴったりな香りアイテムがたくさん並んでいます。
店主さんによれば、「香りは人の心にゆとりをもたらす文化」とのこと。
視覚や聴覚を多用する毎日では、知らず知らずのうちに心も体も疲弊していくものです。
たまには目を閉じて、耳をふさいで、ただゆっくりと「香り」の世界を味わってみませんか?
香舗 伽羅(きゃら)
住所 | 石川県金沢市高岡町19-17 |
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TEL | 076-233-0477 |
営業時間 | 10:00~18:30 日祝10:00~18:00 |
定休日 | 第1.3.5水曜日 |