たくさんの「モノ」があふれる中で、「これだ!」と一つ選ぶには、その背景にあるストーリーも知っておきたいですよね。
プレゼントやお土産・おもたせなど、人に渡すものならなおさら!
今回は金沢市にある創業100年以上の人気老舗店「和菓子村上」がつくる和スイーツ「わり氷」に注目。
「週末、金沢。」編集部が実際に工場におじゃまし、「わり氷」が出来上がるまでに密着してきました!
キュートな見た目ばかりに目が行きがちですが、製法や素材などたくさんの魅力がありましたよ♪
「わり氷」ってどんなお菓子?
和菓子村上の「わり氷」とは、砂糖と寒天を原料にした日本の伝統的な和菓子「琥珀糖」のこと。
表面を乾燥させて結晶化させることでうまれる、独特のサクシャリ食感が特徴です!
割ると中はこんな感じ。表面のシャリッと食感と中面のぷるんと食感のギャップが楽しい♪
同じ「琥珀糖」でも、お店によって少しずつ製法が違い、そこから風味や食感の違いが生まれます。
中でも和菓子村上が大切にしているのが、地元の厳選素材と美味しさのためなら手間暇を惜しまないこと。
今回はここに注目しながら工程を調査してきますよ〜!
実際に工場を見学!
こんにちは!
最近のマイブームは和菓子!な編集部Yです。
30代を目前に早くも健康を意識しだして、和食や和菓子など、日本古来の食文化に興味津々です!
今回は普段からよくお買い物をしている「和菓子村上本店」にやってきました!
こちらに併設している工場を見学させていただけるそう!
和菓子村上はどのお菓子も柔らかい甘さで、パッケージなどもとってもオシャレなんですよね〜!
今回はその秘密に迫れるということで、たのしみ!
早速工場見学用のスタイルに変身!
白衣とヘアキャップをお借りして、衛生面もしっかりガード。
憧れていた和菓子工場の見学…ちょっぴり緊張する…
いざ!おじゃましまーす!
お待ちしておりました!
迎え入れてくれたのは、製造部の荒井さん。
最近は観葉植物にハマっているそうで、ぐんぐん育つ植物の成長を見守るのが楽しみなのだそう。
早速ほっこり癒やされます♡
今日はよろしくおねがいします!
こちらこそよろしくおねがいします!
まずは大きな釜で寒天を炊き上げ!
まずは寒天を炊き上げるところから見学。
直径1メートルほどもある大きな釜を使い、ぐつぐつと煮立たせていきます。
寒天を戻すときに使う水は、白山の伏流水を使用しています。
というか、この工場で使用している水は全てが白山の伏流水なんです!
地元の名水だ!
そうです。やはり口当たりが全く違います。
どうしても白山の伏流水をお菓子作りに使用したかったので
直接水路を引ける場所、ということでこの場所に工場を建てたそうです
村上さん、私の家から近くて嬉しかったけど伏流水のおかげだったんだ
白山に感謝!
徐々に加熱していくと蒸気があがり大迫力!
このまましばらく沸騰するのを待ちます。
ふつふつとしてきたら砂糖を投入!
そのまままた沸騰するのを待ちます。
こちらが沸騰してきた様子。
先程から水位もだいぶ増えてきました!
あの方は何をしているんですか?
見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込んでいる?
すみません、こちらは踏切ではなく和菓子工場なので…
これは糖度を確認しているところです。
「わり氷」を作る際に、糖度はしっかり管理しています
砂糖は多ければ多いほどいいと思っていました…
もちろん甘さを調整する部分でも糖度は大切なのですが
乾燥させたときの表面の結晶化の度合いが大きく変わってきます
理想とする食感を叶えるために重要な工程なんですよ!
なるほど、何事も多ければ多いほどいいと思っていた欲深すぎる自分に喝を入れます
地元産の厳選素材をたっぷり使用♡
あれは何を入れているんですか?
加賀棒茶です!
ほんとだ!香ばしいかおりがしてきました!
やはり金沢らしさを感じてほしいので、上林金沢茶舗さんの加賀棒茶を使用しています。
他にもいろいろな茶葉を試してみたのですが、香り高さが1番理想的だったんですよ
上林金沢茶舗の茶葉(手前)、きよし農園の柚子パウダー(奥)。
もともと「わり氷」はベーシックなプレーン味のみでしたが、最近は厳選した地元の美味しい素材の風味をつけたものも製作しています。
棒茶の他に、金沢のきよし農園で育った柚子の風味を楽しめる商品もあるんですよ♪
今後は能登の塩などさらにラインナップを追加していく予定だそう!
地元の厳選素材を使っているのは、お土産としてもうれしいポイントですよね!
手間よりも理想を優先!手作業だからこその食感を叶える!
無心で切り出している職人さん。たまに、お昼ごはんは何にしようかなと考えるんだとか。かわいい。
約1日寒天を置いておき固めたものを、小さく切り出していきます。
なんと、こちらは手作業!
なんで手作業なんですか?
わり氷ならではの食感を楽しんでもらえるよう、不揃いにするためです。
一粒一粒口に入れたときに少しだけ食感の印象が変わるんです
その楽しさも感じていただきたいので…
素敵な心意気だ…
リズムよく次々と切り出していく職人さん。
丸一日この作業をやる方もいるのだとか!
は…はてしない…
手先の器用さには自信のあるわたし、せっかくなので体験させていただきました!
中学生時代、人の2倍のスピードでミサンガを編み上げていたという伝説がありますから自信はあります
期待大ですね!センスを感じましたらその場ですぐスカウトさせていただきます
まずは軽く刃を置いて、前に押し出すようにしてみてください
なるほど、深く刺しすぎないようにっと…
うおっ、ゼリーのように柔らかくって全然思ったように刃が入らない
しかも均等に力を入れるのが難しい!
こちらが編集部Yが切り出したもの。
…形はばらばらになったほうがいいって言ってましたよね?
…
乾燥がしにくくなるのでできるだけ大きさも揃えたいところですね…
今すぐにのスカウトは控えさせていただきます
切り出しをするのと並行して乾燥の準備を。
しっかりと全体を乾燥させるためにくっつかないように、そしてできるだけ多くを一度に乾燥できるようにきれいに並べていきます。
こちらも本当に果てしない作業…
接するか接さないかのギリギリでシートいっぱいに並べられています。
昔からの方法で時間をかけてじっくり乾燥!
撮影用に半分ほどだけ用意していただいてますが、実際はこの棚の全ての段にわり氷が並べられています。
そうして並べ終わったものは、まるごと乾燥機にIN。
ここから6日ほど一定の温度・湿度で乾燥させていきます。
村上のわり氷ならではの食感を叶えるため、温度や湿度の設定は60年以上変わっていないそう。
昔から愛される味の製法をしっかり守っているのが、村上さんらしいですね!
最後まで人の手で!ついに完成!
乾燥が終わり、ついに完成?!と思いきや、まだまだ手作業が続きます。
実は箱詰めも人の手で行っているんです。
サッと仕分けているように見えて、どれもほぼ同じ分量になっているから驚き!
人の手だからこそ商品を傷つけることなく、きれいなシルエットのわり氷が私達の手に届くんですね!
最後は機械を使って袋詰め。
このような長い工程を経て和菓子村上の人気商品「わり氷」が出来上がるのです!
「気の利いた人」と思われるギフトにぴったり
撮影用にわり氷を頂いた編集部。
「これ、美味しいやつですよね!」「よく買います」という声がちらほら。
ですが、こんなに様々な想いが詰まっていることは知らなかったというスタッフばかりでした。
「そんな手間を知ったら、より美味しく感じますね!」という嬉しい言葉も。
作り手の想いを知ると、商品がより魅力的に感じられますよね♪
私も加賀棒茶のフレーバーがあるのは知らなかった!
通販でも購入可能なので、今度県外の友人に送ってみようと思います!
和菓子村上
住所 | 石川県金沢市泉本町1-4 |
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TEL | 0120-800-234 |