金沢市の国立工芸館で、8月18日(日)まで開催されている 「おとなとこどもの自由研究 工芸の光と影展」。
自由研究というワクワクワードに惹かれて、編集部が行ってきました!
国立工芸館に実はまだ行ったことがない…という人も必見です。
国立工芸館は、2020年に移転開館した、近現代の工芸・デザインを専門とする美術館。
兼六園や金沢21世紀美術館から徒歩圏内にあり、さらに無料の駐車場もあるので、地元の人も行きやすいですよ。
展覧会チラシ
「おとなとこどもの自由研究 工芸の光と影展」は、光と影のコントラストという視点で工芸を鑑賞する所蔵作品展。
作品を見る角度を少し変えるだけで、光であったものが影に、影が光に変わり、作品の魅力をより深く感じることができます。
工芸にオカタいイメージを持つ方もいるかもしれませんが、今回は「自由研究」がコンセプト。
おとな・こどもそれぞれの楽しみ方ができる、親しみやすい内容に仕上がっているそうですよ!
館内は3つのゾーンに分かれています。
まずは、展示室1「光?影?/光と影でモノがたる」へ。
小川雄平 《陶製黒豹置物》(部分) 1933年 国立工芸館蔵 撮影:斎城卓
こちらでぜひ見てほしいのが、チラシにも登場する 小川雄平氏の 《陶製黒豹置物》。
照明が当たることによって、黒豹の表情や筋肉の動きが感じられるんです…!
イキイキとした造形に圧倒されます。
田口善国 《野原蒔絵小箱》1968年 国立工芸館蔵
こちらは、漆芸家 田口善国氏による《野原蒔絵小箱》。
漆を厚く塗り重ねることで、バッタを立体的に表現している作品です。
キラキラと光る螺鈿の背景が、よりバッタの存在感を引き立てています。
そして、次の展示室2のテーマは「光と影でカタチつくる」。
作者が作品に仕掛けた、光と影のわざが感じられる作品が多く紹介されています。
関谷四郎 《赤銅銀十字線花器》1975年 国立工芸館蔵
鋲のような四角錐が無数に並ぶ関谷四郎氏の《赤銅銀十字線花器》。
じつはこれ、パーツを貼り付けたのではなく一枚の金属を槌で打って作られているんです!
金属を叩いて作られたとは思えない精密さが美しい光と影を生み出しています。
福本潮子 《時空3》1993年 国立工芸館蔵
こちらは福本潮子氏の《時空3》。 染めのグラデーションが、まるで光を放っているような錯覚に陥ります。
工芸作品と聞くと、堅苦しいイメージがあったのですが、「光と影」というテーマのおかげで、親しみやすく感じました。
黒田辰秋 《欅拭漆彫花文長椅子》1949年頃 国立工芸館蔵
さて、展示室3へ行く前に、休憩室でちょっと休憩。
ケヤキの木に漆を塗っては拭き取るという作業を繰り返す「拭漆」という技法でできた長イスは、黒田辰秋氏の《欅拭漆彫花文長椅子》。
上品な艶が素敵です。こちらは座ってOKなので、ぜひ触って作品を楽しんでみて。
最後の、展示室3のテーマは「メタル&ガラス」。
金属とガラスの2種類の素材に限定して作品が展示されています。
鈴木長吉 《十二の鷹》(部分) 1893年 国立工芸館蔵 重要文化財 撮影:斎城卓 [前期展示]
重要文化財でもある、鈴木長吉氏の《十二の鷹》は国立工芸館を代表する作品。
その精密さは、圧巻のひとこと!
猛々しく美しい鷹たちは、金属製なのを忘れさせるほど生き生きとしています。
今回の展覧会では、前後期あわせて6羽が展示されますよ。
ガラスケースに入っていない作品も多く、 ケース越しではなく、直接見ることで、工芸作品のよさをより感じられると思いました!
この展覧会では、こども向けに「スタンプラリー」と、お気に入りの作品を選んで絵と言葉で紹介するワークシート「こうげいずかん」が用意されています。
たんけんマップをヒントに作品を探しながらスタンプを集めると、こどもも楽しく鑑賞できそうです。
おとなにも「おとなのための自由研究ノート」というセルフガイドがあり、作品を深く知るきっかけになります。 どちらも「光と影展」入館者は無料でもらえますよ。
他にも、トークイベントやワークショップもあるので興味がある方は予約を。
会場となる国立工芸館は、明治時代の美しい洋風建築も魅力。ノスタルジックな雰囲気もぜひ一緒に楽しんでくださいね。
まだまだ紹介しきれないほど魅力的な作品がたくさん!「おとなとこどもの自由研究 工芸の光と影展」は、8月18日まで開催中。
親子で楽しめるので、ぜひ足を運んでみてくださいね。
国立工芸館『おとなとこどもの自由研究 工芸の光と影展』
住所 | 石川県金沢市出羽町3−2 |
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日時 | 2024年6月18日(火)〜8月18日(日) 9:30-17:30 ※入館は閉館の30分前まで 7月19日(金)〜8月17日(土)の金土曜、8月11日(日・祝)は20:00まで開館 |
休館日 | 月曜(ただし 7/15・8/12 は開館)、7/16 (火) |
観覧料 | 一般300円 (250円)、 大学生 150 円(70円) ※()内は 20 名以上の団体料金・割引料金。いずれも消費税込※夜間開館日の17時30分以降は一般 150円/大学生 70円。※オンラインによる事前予約もあり。※高校生以下および18歳未満、65歳以上、MOMATパスポート・学パスをお持ちの方、 友の会・賛助会員の方、MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバーパートナーは本人のみ)、キャンパスメンバーズ、文化の森おでかけパス(一般のみ)をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)は無料。 |