
かつて子どもたちの声であふれていた小学校に、再び人が集まり始めています。
5月7日、羽咋郡宝達志水町に「宝のオハコ」がオープン!
廃校になった旧宝達小学校が、「食べる・学ぶ・働く・遊ぶ・つなぐ」をテーマに、それぞれの得意分野(十八番)を生かせる多目的交流施設として生まれ変わりました。

旧校舎に一歩足を踏み入れると、そこはノスタルジーあふれる空間。
懐かしい学校の雰囲気があちこちに感じられ、大人でもなんだかワクワクしてしまいます。

まず足を運びたいのが、職員室を改装したカフェレストラン「Re:みんなの給食室 まほろ場」。
図工室の机や図書室の椅子が並ぶ空間で、給食をイメージしたランチや揚げパンなどの懐かしのメニューを楽しめます。

メニュー看板は、家庭科室にあったまな板を再利用しています。
理科室のフラスコやビーカーは花瓶に。跳び箱はテーブルに。
学校にあったものたちが、形を変えて今も大切に使われています。
「あ、これ学校にあった!」そんな小さな発見があちこちに散りばめられていて、思わず童心に帰ってしまいます。

人気の「選べる給食ランチ」(1,350円)は、火〜土曜の11:00〜13:30限定メニュー。
最初に小鉢を3品選び、その後、主菜を1品選択します。
主菜は給食当番のバッジをつけたスタッフが盛り付けてくれ、お盆を持って順番に受け取るスタイル。
ご飯とお味噌汁はセルフサービスです。
お盆を手に列に並んでおかずを受け取る一連の流れが、まるで本当の給食時間に戻ったみたいで、じんわり懐かしい気持ちになります。

「選べる給食ランチ」のメニューは日替わり。
この日の主菜は「アジの南蛮漬け」。小鉢は「水菜とツナのサラダ」、「お麩の照り焼き」、「スパニッシュオムレツ」でした。
食材は地元の方たちが持ち寄ってくれた野菜や魚を使用することも。
この日の「アジの南蛮漬け」は、地元の漁師さんが朝獲ってきたアジを使っているそうです。
味付けはやさしく、どこかホッとする家庭的な味わい。
ご飯は、宝達志水町産のお米を使用しています。

この日のもう一種類の主菜は「ロールキャベツポトフ風」。
こちらの小鉢は「大豆と枝豆の昆布和えとワカメ和え」、「スパニッシュオムレツ」、「お麩の照り焼き」の3品です。
給食のように栄養バランスがしっかりと取れた食事がいただけるのは嬉しい限りです。

そして、ぜひランチに追加したいのが「なつかし給食デザートセット」(450円)です。
給食を思い出すような懐かしい組み合わせの「ミニ揚げパン」と「ミルメーク牛乳」がセットになっています。

揚げパンはひと口かじると、きな粉がふわっと香ります。
甘さを控えめにしてあるぶん、素朴なおいしさがきちんと感じられます。
粉を溶かしたミルメークは、まさに給食のあの味で、揚げパンとの相性もバッチリです。

食事を終えたら、ぜひ隣の教室へ。
コミュニティコーナーでは、けん玉などの昔懐かしいおもちゃもあり、おしゃべりしたり、ゆっくり休憩したりと、まるで昼休みのようなひとときを過ごせます。
空間を移動しながらゆったり時間を使えるのも、まほろ場ならではの楽しみ方です。

また、教室や体育館、運動場はレンタルスペースとして一般利用が可能です。
自分の得意なことを活かして定期的な教室やワークショップを開いたり、シェアオフィスとして勉強や仕事に集中する場所として使ったり、体育館や運動場でイベントを開催したりと、使い方は自由自在。
学校という場所で、それぞれの十八番を思いきり発揮できる。そんな可能性がここにはあります。

「宝のオハコ」を運営しているのは、宝達小学校の卒業生でもある高木さん。
廃校になった母校を再利用する町の公募に応募し、見事に選ばれました。
お子さんも同校の卒業生で、ママ友や近所の人たちみんなが力を合わせてこの温かな場所をつくり上げました。
「廃校になると聞いたときは、どんな形であっても残したいと思いました。子どもから大人までみんなが集まれる場にしていきたいです」。
そう話す高木さんの笑顔から、この場所がただの施設ではなく、地域と人とをつなぐ大切な居場所になっていることが伝わってきました。

一度は子どもたちの姿が消えた学校が、地域のみんなの十八番を持ち寄る場所として、また新たな歴史を刻みはじめています。
懐かしくて、新しい。あの日の学校へ、もう一度遊びに行ってみませんか。
宝のオハコ
| 住所 | 石川県羽咋郡宝達志水町上田キ50 |
|---|---|
| 営業時間 | 8:30-17:00、まほろ場 8:30-19:00 |
| 定休日 | 月曜 |
| 駐車場 | 15台 |
この記事のライター
かもめ
金沢の町並みが好きすぎて金沢に移住。雑誌編集者、新聞記者を経て、現在フリーランスのライターとして活動中。好きなものは猫、古いもの、ビーバー。