今井完眞《フシギバナ》2022年
今年3月21日〜6月11日まで、金沢市の国立工芸館で開催されている 『ポケモン×工芸展 -美とわざの大発見-』。 すでに話題沸騰で多くの来場者が詰めかけている、本展に編集部もお邪魔してきました。
まだ行っていない!という方は、ゴールデンウィークのおでかけの参考にしてくださいね。
国立工芸館は、2020年に開館した、近現代の工芸・デザインを専門とする美術館です。兼六園や金沢21世紀美術館から徒歩圏内の距離にありますよ。
こちらで6月11日までの間、開催されているのが『ポケモン×工芸展 -美とわざの大発見-』。 世界的な人気ゲーム「ポケットモンスター」ちぢめて「ポケモン」の世界観をテーマに、人間国宝から注目の若手まで、20 名のアーティストが制作した工芸作品を展示しています。
館内は3つのゾーンに分かれていて、まずは二階の展示ゾーンへ。
ひとつめの展示ゾーンのテーマは「すがた 〜迫る!〜」。
炎や木といった自然のもので作られている工芸は、どこか生き物のような温かみが感じられます。このゾーンでは、工芸作家さんがポケモンのフォルム、毛並みや皮膚、しぐさや表情を様々な素材で表現。まるで生きているかのような存在感に注目です。
吉田泰一郎《イーブイ》2022年
まずお出迎えしてくれるのは、金工家・吉田泰一郎さんのイーブイ。 化学変化で色が変化する「銅」を使って、同じように様々なタイプに進化するイーブイを表現しています。
今井完眞《フシギバナ》2022年
こちらは、陶芸家・今井完眞さんの作品「フシギバナ」。 植物がモチーフのポケモン・フシギバナを、土からつくる陶芸で表現しています。 まるでしっとりと濡れているような皮膚感が、引き込まれるような魅力を放っています。
ふたつめの展示ゾーンのテーマは「ものがたり 〜浸る!〜」。
「ポケモン」の世界で紡がれる、進化や交換のワクワク感 。 旅へのあこがれ 。 そしてバトルシーンのインパクト。作家さんたちが感じた「ゲームの世界観」を多彩な方法で表現します。
池本一三《冒険のはじまり》2022年
こちらは、ガラス作家・池本一三さんの「冒険のはじまり」。 池本さん自身がゲームをプレイして出会った街や仲間を、大きなガラスの鉢にエナメルの粉末を吹き付ける技法で描き込んでいます。じっくり眺めていたくなる作品です。
須藤玲子《ピカチュウの森》2022年
テキスタイルデザイナー・須藤玲子さんの作品「ピカチュウの森」。 約900本の"ピカチュウレース"でつくられた作品です。この森の中には1本だけ"色ちがい”があるのだとか…。探してみたくなりますね。
そして、みっつめの展示ゾーンのテーマは「くらし~愛でる!〜」。
工芸は、うつわや着物など、生活のなかから生まれたもの。その機能をポケモンのモチーフに落とし込んだ作品が展示されています。
桝本佳子《リザードン/信楽壷 》2022年
陶芸家・桝本佳子さんの「 リザードン/信楽壷 」。信楽焼特有のざらついた質感と赤褐色の焼き上がりは、かえんポケモン・リザードンを表すのにぴったり。熱が伝わってくるようです。
桂盛仁《 帯留 ブラッキー「立ち姿」 》2022年
こちらは、人間国宝である金工家・桂盛仁さんの作品「 帯留 ブラッキー『立ち姿』」。桂さんの作品の特徴である美しい黒の質感が、月光にひそむブラッキーを想像させます。この引き込まれるような黒は、ぜひ肉眼でみていただきたいです。
そして、このような作品がどのように作られたのか、製作工程がわかる展示も見どころのひとつ。作家さんがどのようにアイデアを出し、どのような道具を使い、制作をしているのか、裏側をみると、作品がもっと楽しめます。
最後は、ミュージアムショップへのお立ち寄りもお忘れなく。 ここでしか手に入らないグッズもありますよ。
『ポケモン×工芸展 -美とわざの大発見-』は、6月11日まで国立工芸館にて開催中です。 子どもから大人まで、ポケモンをしらなくても十分に楽しめる内容なので、ぜひ足を運んでみてくださいね。
国立工芸館『ポケモン×工芸展 -美とわざの大発見-』
住所 | 石川県金沢市出羽町3−2 |
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日時 | 2023年3月21日(火・祝)〜6月11日(日) 9:30-17:30 ※入館は閉館の30分前まで 4月29日(土)〜5月7日(日)は20:00まで開館 |
定休日 | 月曜(ただし 5/1 は開館)、5/14 (日) |
観覧料 | 一般900円 (600 円・800 円)、 大学生 500 円(350円・450円)、 高校生300円(200円・250円) ※()内は 20 名以上の団体料金 ・ 割引料金の順で記載。※オンラインによる事前予約もあり。※中学生以下、 障害者手帳をお持ちの方と付添者 1 名 は無料 。 |