
編集部が石川県内のカフェを訪ねるシリーズ企画、「石川・金沢カフェ巡り」。
今回は、金沢市の野町にある「薬屋カフェ」におじゃましてきました。

2017年4月にオープンした「薬屋カフェ」は、野町広小路交差点角のシンボル的な複合施設、安藤芳園堂ビルの1Fにあります。
同ビル内の江戸時代から続く歴史ある薬局「安藤薬局」が手がけるカフェです。

扉を開けると、ヨーロッパをイメージさせる荘厳で上品な空間が広がり、外とのギャップに驚き。
日常を忘れさせてくれるような独自の世界観に包まれます。
この場所で長年営業していた喫茶店の家具やシャンデリアを引き継ぎ、店主のお気に入りのものを散りばめた、歴史とセンスが感じられる佇まい。
インテリアとして並ぶ薬瓶や小箱も、老舗薬局のルーツを物語っています。

カーテンで仕切られた奥のスペースは、心静かに過ごせるようにと「おしゃべり禁止」。
ソファ席も設けられ、よりゆったりと過ごせるスペースになっています。

店内のあちこちに並ぶ本棚には、店主が長年かけて集めた約500冊の本たちが。
ジャンルも建築や旅行、文学、歴史、インテリア、珈琲に関する本などさまざまで、気になった本は手に取って自由に閲覧できます。

まるで誰かの私設図書館に迷い込んだような、静かで贅沢な空気感。
1人でゆっくり考えごとをしたり、読書や趣味に没頭したりするのに最高のロケーションです。

薬屋が営むカフェだからこそ味わえる、体に優しい薬膳メニューも魅力です。
「薬膳」と聞くと敷居が高く感じるかもしれませんが、こちらでは「口に入れるものはすべて薬になる」という考えのもと、季節と体調に合わせて旬の野菜やスパイスなど、身近な食材を無理なく取り入れることを提案。
「季節の薬膳スープランチ」(1,200円)は、食材のパワーを丸ごと取り入れられる具だくさんのスープに薬膳茶も楽しめるセットです。

月替わりのメニューで、この日は「カブと里芋のミネストローネ」。
体をあたためてお腹を労り、免疫力アップが期待できる食材を組み合わせ、塩のみで味付けし、さらりと食べやすく仕上げています。
ひと口食べるごとにじんわり体に染みこむような、優しくほっとする味わいです。

スープがもう1種類ついてくるのも嬉しいポイントです。
とろりと甘い「カボチャの豆乳ポタージュ」には、血の巡りをサポートするとされるシナモンをひとさじ。
ほのかなスパイシーさが食欲をそそります。

ランチの後やカフェタイムに楽しめるデザートも、薬膳の考えを取り入れた自家製スイーツがラインナップ。
スパイスやナッツをバランスよく使用し、甘さの中にも体への思いやりが感じられる味わいに仕上げられています。

特におすすめの「薬膳スパイスケーキ」(500円)には、紅茶をベースにした薬膳茶「ローズレーズンティー」(650円)を合わせて。
レトロな器に盛りつけられた姿も愛らしく、ふわりと漂う香りにすっと肩の力が抜けていきます。

ショウガの砂糖煮にクコの実、レーズン、クルミ、さらに数種類のスパイスを合わせて焼き上げた特製スパイスケーキ。
ホロッとほぐれて、ショウガの爽やかさにレーズンの甘酸っぱさ、クルミの香ばしさと、奥行きのある食感と風味で食べ飽きません。
おやつでありながら、体をいたわる要素が詰まった嬉しい一品です。

ポットでたっぷりいただける「ローズレーズンティー」は、ドライフルーツや木の実の生薬が入りですが飲みやすく、ローズの香りで気分も華やかに。
体調に合わせて選べるオリジナルブレンドの薬膳茶も揃っていますよ。

車が行き交う交差点近くにありながら、喧騒から離れた落ち着きがあるのも大きな特徴です。
ついつい長居してしまい、中には5時間以上もゆっくり滞在した人もいるのだとか。
「第二の自分の部屋のように過ごしてもらえたら。薬膳のことや体調のことなど、なんでも気軽に聞いてほしいですね」と、店主。

体にいいものをもっと気軽に。自分のリズムをそっと整えられるような「薬屋カフェ」。
日常を忘れリラックスしたい時、ちょっと疲れているなという時にもおすすめです。
きっと帰る頃には心も体もふわりと軽くなっているかもしれません。
薬屋カフェ
| 住所 | 石川県金沢市野町1-2-43 安藤芳園堂ビル1F |
|---|---|
| TEL | 076-280-0621 |
| 営業時間 | 10:00-18:00 |
| 定休日 | 火・水曜 |
| 駐車場 | 2台 |