2月から金沢市で始まった「家庭ごみ有料化」。
暮らしに寄り添う制度ということもあり、浸透もあっという間。
とはいえ…
何も知らないままお金払うの、なんか悔しくない!?
ということで、金沢市役所のリサイクル推進課を訪問。
いろいろお話聞いてきました!
前編はこちら。
ごみの有料化を始めることになった理由や、金沢市のごみの現状についてお伺いしています。
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後編は有料化にまつわるお金の話がメインです。
お話をしてくださるのは、引き続きこの方。
金沢市環境局
リサイクル推進課 家庭ごみ減量化推進室
中川 翔太さん
資料もばっちり準備いただいています
家庭ごみの有料化の意義について、よくわかりました。ごみを減らすことと、資源化を行うことに目を向けるのが大切なんですね。
大きなところでいうとそうですね。ご理解いただけてよかったです。
じゃあ、次はコレの話なんですけどね、へへへ
指で丸を作ってお金を表現する人、100年ぶりに見ました
今回はお金の話が中心でヤンス
- ごみ袋の金額ってどうやって決めたの?
- ごみ袋を販売したお金ってどこにいくの?
- なんで制度のスタートを2月からにしたの?
- みんながつまづく「よくある質問」教えてください!
- 担当者さんから、最後にひとこと
- 後編のまとめ
- おわりに
- おまけ
ごみ袋の金額ってどうやって決めたの?
市民への負担と制度の効果のバランスで決まったみたい
ごみ袋の金額について、ちょっと気になったんですけど
どうやって1リットルあたり1円って決めたんですか?ダーツ?
違います。話し合いです。
先行して有料化を行っている都市があるので、そこでのごみ袋の金額と、ごみの減量状況を比較して、この金額にしています。
「どうせみんな払うんだし、めちゃくちゃ高くしようぜ!」みたいにならなかったんですか?
金額が高ければ、そのぶん家族あたりの負担も増えますから。逆に安価すぎると「このくらいの出費ならいいか」と、分別の意識向上につながらない場合もありますね。
価格と効果のバランスがとれる金額として、1リットル1円に設定させていただきました。
ちゃんと理由がありすぎてちょっと引きますね…
筋が通っていることがマイナスに受け取られることもあるんですね
こういうのって、高すぎても安すぎてもダメなんですね
そうですね。金沢市はごみの資源化促進のため「燃やすごみ」と「埋立ごみ」のみ対象ですが、地域によっては資源ごみなど他の種類も対象になっていることがあります。
数字上の値段は金沢市より安くても、ごみ袋を使う頻度が多ければ支出が逆転しているケースもあるかもしれませんね。
地域で全然違うんですね!値段だけ見てればいいってもんでもないんだな〜
ごみ袋を販売したお金ってどこにいくの?
みんなが資源化をがんばった分、地域にお金が戻ってきます
じゃ、じゃあ売り上げはどうしてるんですか!
どうせ市役所の忘年会がめっちゃ豪華になったり、職員の結婚式にサプライズでマジシャンを呼んだりするんでしょ!サイテー!
そんなことは本当にないので、落ち着いてください
ハアハア…じゃあどうしてるっていうんですか!
袋の作成にかかった経費など、一部は市へ戻りますが、利益に関しては地域に還元されます。
マジすか
マジです。一例として、資源化に積極的に取り組んだ地域には市から奨励金をお渡ししているのですが、そこにあてられます。
資源化をがんばればがんばるほど、お金が返ってくるってこと?
そうなりますね
なんだよ〜!言ってよ〜!!
急に友達の距離感だ
てっきり市役所のケータリングを大きい唐揚げがドサドサ入ったやつにしてるんだと思ってさ〜!疑っちゃったよ〜〜〜!!!!
ありがとうございます。肩に回した腕をどけてください
これからめちゃくちゃトレーとか分別するよ〜!ペットボトルもめちゃくちゃ潰すし〜!!
よろしくお願いします。腰に回した手をどけてください
なんで制度のスタートを2月からにしたの?
寒い時期から始めたのにはちゃんとした理由がありました
せっかくなんで他にもいろいろ聞いてもいいですか?
ええ、どうぞ。
なんで制度のスタートを2月にしたんですか?こういうのってキリのいい春から切り替わるもんだと勝手に思ってたんですけど。
2月にした理由をお伝えする前にご説明しておきたいのですが、こういうごみを捨てるルールが切り替わるタイミングで考えなければならないのは「違反ごみ」の発生です。
制度が生活に浸透していないために、今まで通りの半透明の袋で捨ててしまうこともあるかもしれませんよね。
ふむふむ…
制度がある以上、違反ごみは収集できないので、ごみステーションに残ります。でも暖かい時期だと、生ごみが腐っちゃいますよね。
2月の金沢は例年冷え込むので生ごみの腐敗が進みづらく、仮に違反ごみが出ても地域への被害を小さくできるのが理由の一つです。
いや〜、今日も理にかなってますね
恐縮です。春から実施というお話もありましたが、新生活のスタートのタイミングはごみの量が多くなりがちな時期ですよね。
2月は一年の中でもごみの排出量が比較的少なく、他の時期よりごみの総量が少ないぶん、制度がスムーズに始められるというのも大きな理由ですね。
理にかないすぎるあまり、ぐうの音も出ませんね
恐れ入ります
みんながつまづく「よくある質問」教えてください!
「大きなごみ」や「有料化しないごみ」のこと、教えてくれました
ごみの有料化にあたって、よくある質問とかってあります?
そうですね…たとえば、燃やすごみ・埋立ごみの上限内で「45リットルの袋に入らない大きさのごみ」の出し方。お風呂のフタや、プランターなどですね。
これは一つにつき45リットルの指定ごみ袋を一枚、見えるように貼ってもらえれば回収できます。
これはあくまで「袋に入りきらないごみ」の場合の話なので、ごみが詰まった大きなごみバケツなどは対象外です。袋に入れて捨てられるものは、袋で処分していただくようお願いします。
有料化の対象とならないごみもあるらしいですね。
そうですね。市の緑化推進の観点から、落ち葉や木の枝などは対象外です。紙おむつも半透明の袋で大丈夫です。
私の家にも赤ちゃんがいますが、紙おむつは赤ちゃん次第なので、工夫しても減らすのは難しいですし。なお、おむつを新聞紙にくるんで捨てる場合は、外に見えるよう「おむつ」と表記しておいてください。
パパの見地からも納得のいく話を繰り出してくる…
他によくお伺いいただくのは「指定ごみ袋内で小分けする袋も指定ごみ袋じゃないとダメ?」というご質問です。
一番外側が指定ごみ袋であれば、中で小分けする袋は通常の半透明袋でも問題ありません。資源ごみは異物の除去作業がすごく大変なので、小分けにせずまとめて出してください。
そのへんの細かいルールは燃やすごみと資源ごみで違うんですね、なるほどな〜
間違えそうなポイントについて、とっても丁寧に説明してくれました。がんばろうという気持ちになる…
担当者さんから、最後にひとこと
今回の制度について、最後にひとこといただけますか?
現状、総排出量の8割は燃やすごみです。生ゴミは水を切って出す、プラスチックや紙類は資源ごみとして出す。それだけでも、家庭から出るごみの総量や割合は大きく変わると思います。
金沢に生まれ育つ次の世代の子どもたちに金沢の自然を少しでもたくさん残すため、一緒に頑張っていきましょう!
ありがとうございました!
後編のまとめ
・ごみ袋の値段は価格と効果のバランスを見て決めている
・ごみ袋の利益は資源化に積極的に取り組む地域に還元
・工夫次第でごみの量はぐっと減らせる!
おわりに
家庭ごみ袋の有料化は、確かに家庭の負担になります。
でも、制度がスタートしたことには「未来の子どもたちに金沢の自然を残すため」という理由がありました。
ただお金を払うことがゴールではなく、より小さい袋でごみを出す工夫をすることが大事なんですね。
この制度をきっかけに各世帯がごみの量を減らして資源ごみの分別を行えば、ごみ袋にかかる支出も減って、地域にお金が戻ってきます。
未来の金沢と自分たちのお財布のために、毎日のごみを見直してみてはいかがでしょうか。
おまけ
ほんと、いろいろ聞けて楽しかったです。すいません突然お邪魔してしまって。
いえいえ。
やっぱりご自分の家でも分別って徹底されてるんですか?
僕の家のごみは僕が仕事終わりに夜な夜な分別してます。分別のプロなので。
そして、嫁も「分別はプロに任せたほうがいい」と判断しているので…
プロも大変だ…
金沢市のごみ分別プロの皆さんに幸あれ…