「蒲焼き」といえば、皆さんはどんな食材を想像するでしょうか?
「蒲焼きといえばうなぎでしょ!」という回答が多いかと思います。
しかし、金沢では「どじょう!」と答える人もたくさんいるんです!
今回は金沢で愛されるソウルフード「どじょうの蒲焼き」についてご紹介!
その歴史や、提供しているお店についてレポートしていきます!
金沢の伝統食「どじょうの蒲焼き」、その歴史と魅力とは!
金沢で伝統的に食されている「どじょうの蒲焼き」。
そのルーツには諸説あります。
しかし、いずれも共通しているのは、「キリシタンが生活の糧として人々に提供していたこと」。
中でも有力な説は二つあります。
①戦国時代末期から江戸時代初期に、キリシタン大名だった高山右近の下にいた信徒が広めた
②幕末から明治時代初期に、キリスト教徒の弾圧によって金沢へ流刑となった信徒が広めた
そうした伝統が連綿と受け継がれ、今に至るというわけです。
そんな浅くない歴史を持つ「どじょうの蒲焼き」。
金沢の人々に今なお愛されているのには、ワケがあります。
・軽い口当たりで食べやすい!
・栄養面も優秀!
・値段も安価!
・精のつく手軽な食材!
これらのどじょうの特徴が人気の秘密。
文化の発祥から数百年経った今なお、どじょうが金沢の食卓に並ぶ理由なんですね。
金沢で「どじょうの蒲焼き」と言えばここ!「かばやき屋」
では、金沢で長く親しまれている「どじょうの蒲焼き」がどういう風に食べられているのか。
実際に調査してきました!
今回、取材でお邪魔するのは金沢で有名なうなぎ・どじょう専門店の「かばやき屋」。
金沢駅から車でおよそ10分ほどの所にあるお店です。
いただくメニューはどじょう丼。
そこにお吸い物、漬物に小鉢、さらにどじょうの蒲焼き1本がついて、お値段なんと1080円!
それでは、いざ実食。
薄く焼かれた卵の下には、どじょうの蒲焼きがこれでもかというほど乗せられています。
甘めのタレがよく絡んで非常に美味。
蒲焼きのパリパリ感と、それを包み込む卵のフワフワ感との対比がたまりません。
そのうえ、ご飯には甘めのタレが絶妙な具合で染み込んでいます。
ご飯をかきこむ手が止まりません。
そして、蒲焼きをよく見るとなんと…
頭まで使われているじゃないですか!
ドキドキしながら、頭をパクリ。身よりパリパリした食感が特徴的です。
見た目はなかなかのインパクトですが、口に残るだとかは一切なく、これまた美味でした。
箸休めの小鉢も嬉しく、良い塩梅のお吸い物も体温まる一品でした。
また、この店で使用している山椒は、一般的によく使われている粉山椒ではありません。
なんと、開店以来のこだわりで粒山椒を使用しているそうです。
鼻を通る爽やかな辛みがタレの甘さを引き締め、最後の一口まで飽きることなく、完食しました。
ごちそうさまでした!
食後は、店主の山内さんにお話を伺いました。
土用の丑の日は、ランチ営業をせず、蒲焼きの販売に専念するほどに人が集まるのだとか。
うなぎはもちろん、どじょうもたくさん売れるそうです。
それに加え、最近は、外国人観光客の来店数も増加。
そこで、遠方の方々も対象に、お土産として真空パックの「どじょうの蒲焼き」の販売をスタート!
県外への展開も視野に入れているそうです。
石川県以外にお住まいの方も、自分の暮らす街で「どじょうの蒲焼き」を食べられる日が来るかも?
金沢名物どじょうの蒲焼 かばやき屋
住所 | 石川県金沢市寺中町ホ61-10 |
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TEL | 076-268-9770 |
営業時間 | 11:00-15:00(L.O. 14:30)、17:00-21:00(L.O. 20:30) |
定休日 | 月曜 |
おわりに
長い歴史を持ちながら、今なお庶民に愛される「どじょうの蒲焼き」。
実際に食べてみるとイメージはガラリと変わりますよ。
県外の方も、金沢に足を運ぶ機会がありましたら、どじょうの蒲焼きを食べてみてはどうでしょうか?