こんにちは、編集Nです。
2月から家庭ごみ有料化から始まり、はや一カ月。
1月から2月初旬にかけて白熱していたメディアの報道も落ち着き、暮らしにも浸透してきましたね。
僕も金沢市民として、指定ごみ袋を使う一人。
スーパーで新しいごみ袋を買うのも、もう慣れたものです。
なんだか、昔からごみ袋ってこうだったような気さえしますね。
愛着わいてきちゃいました。
なんてことは全くなく、
なんで！！！！！！！！やめてよ！！！！！！！！
と、依然として強硬派の姿勢を崩していません。
このまま決まりに流されるなんて耐えられない！
せめて納得できる説明が欲しい！
でも、一カ月も経ってるから説明会も終わっちゃってる！
一体どうしたら…！
ということで
金沢市役所 リサイクル推進課
来ちゃいました。
たのも〜う！！！
どうされました？
なんでゴミ袋を有料化したんですか！？お願いです！！勘弁してください！！
すでに条例は施行されています。頭をあげてください
なんでゴミ袋を有料化なんて…理由はなんなんですか！！
お伝えしますから、まずは頭をあげてください
ごみ袋を有料化したのはなぜ？
今回教えてくれたのはこの人！
金沢市環境局
リサイクル推進課 家庭ごみ減量化推進室
中川 翔太さん
改めまして、本日はよろしくお願いします。
リサイクル推進課の中川です。よろしくお願いします。
なんでゴミ袋を有料化したんですか？僕だけでもいいんで無効になりませんか？
なりません。有料化の理由ですが、大きく三つあります。
ゴミ袋への支出を通して「ごみの減量」と「資源化率のアップ」を市民の皆様に意識していただきたいからです。「排出者の負担の公平性を確保すること」も、意義として挙げられますね。
ほう…
ごみの総量を減らせば、ごみ袋の利用がそもそも減りますよね。
うむ…
そして有料ごみ袋の対象でない「資源ごみ」への分別を行えば、さらに少ない量のごみ袋でごみを排出できるんです。
理屈はわかりました
ありがとうございます。
でもねえ、納得いってないんですよ！！！！！！！！！！！
お腹から声が出てますね…
そもそも金沢市のごみの状況ってどうなの？
他の街より結構多かった、金沢のごみ
そもそも金沢では年間どれくらいのゴミが出てるんですか？
平成25年度のデータではありますが、17万5676トンです。
17万5676トン…オスのアフリカゾウ2万5000頭分以上じゃないですか…
そうですね…そうなのかな…
でもそんな途方のない数字、どうやって減らせば…もう人間を滅ぼすしか…
大丈夫。一人ひとりのごみ排出量をちゃんと減らせば、人類は安泰です。
よかった〜
1日のごみ排出量は一人あたり1,038g。他の中核市平均値が1,010gなので、現時点でも28gほどの開きがあります。
※中核市：富山市や函館市など、政令指定都市を除いた、人口20万人以上で規模や能力が大きい都市のこと。金沢市もこの中核市に該当。
28g？ハハハ、そんなの誤差の範囲じゃないですか
では28gのごみを毎日46万3762人の金沢市民が排出すると、年間でどれくらいの量になると思いますか？
えっ！え〜…テレフォン！
ライフラインはありません。およそ4740トンです。
4740トン…オスのアフリカゾウ678頭分…
オスのゾウを7トンの単位にするの、何ですか？クセ？
毎日の数字は小さくても、人口で考えるとすごく大きな差になるんですね…
そうですね。平成36年度までに一人あたりのごみ排出量を1日「910g」に減らすことが、ごみ処理基本計画の大きな目的のひとつです。
一人ひとりが毎日128gのゴミを減らすことで、年間でみると2万4000トン以上の削減になるんですよ。
毎日の積み重ね、めちゃくちゃ大事だ…
限られた資源を有効に使うってめちゃくちゃ大切
ごみの減量ももちろん重要ですが、その上で「資源化率のアップ」も非常に大切です。
シゲンカリツ…のアップ？
ゴミの総量からみた資源ごみの割合を高めることです。古紙やペットボトルなど、あとは卵パックといった、プラマークがついた容器包装プラスチックなども資源ごみに当てはまりますね。
資源ごみ、めちゃくちゃ身近じゃないですか
金沢のゴミの資源化率が11.7%なのですが、これは他の中核市の平均値の「19.5%」と比べるとかなり差があるんですよ。
やだ…倍くらい違う…
資源化されずに燃やされているごみの割合が、金沢は他の地域と比べて多いということですね。
なんてこった…
資源化率の目標値は26%！高い数字に見えるかもしれませんが、日々の分別をしっかり行えば決してできない数字ではないんです。
紙類の資源化を意識するだけでも随分変わりそうですね！
このままだとどうなっちゃうの？
ごみによって減っていく、金沢のお金と自然
現状はわかったんですけど、数字ばっかりでいまいち現実味がなくて…このままのゴミ量を捨て続けると、どうなっちゃうんですか？
平たく言うと、金沢の自然がどんどんなくなっていきますね。
急にめちゃくちゃ悲しい…
ごみを減らすことで実現させたいのは、金沢市のごみ埋立地の延命化と、ごみの焼却にかかる費用などのコスト削減なんです。
いま、金沢市のごみは戸室新保の山を削り出して造設された埋め立て場に廃棄されているんですけど、そこはあと数年で満杯になる予定です。
新たに山を削って隣接する埋め立て場も作ってはいますが、日本はそもそも国土が小さく、埋め立てられる場所にも限りがありますよね。
うっ、なるほど…
今あるものを長く使えるようにすることが、未来に自然を残すために必要なんです。
将来の子どもたちが、緑でいっぱいの金沢を見られないのは悲しいですよね。
どんどんごみの量を減らしたくなってきたな…
ごみ焼却センターも建て替えで大規模化してしまうかも
ごみの焼却費用についてですが、実は金沢のごみ焼却場「東部環境エネルギーセンター」も建て替えの時期が近づいてきているんです。
その焼却場の規模は、廃棄されているごみの排出量で決まるんですね。
へええ〜！
たくさんゴミが排出されていれば、その分焼却場が大きくなります。当然、そこにかかる費用も大きくなってしまうんです。
めっちゃ問題じゃん
実は環境アセスメントが入る時期も近づいてきていて…環境アセスメントってご存知ですか？
バカにしないでください！環境を、え〜…かなりアセスメントするやつですよね！いや〜僕も実家にいた頃はだいぶアセスメントしてたな〜
はい、ありがとうございます。環境アセスメントとは、環境影響評価のこと。今回でいうと焼却場の開発・運用が金沢の環境にどういう影響を及ぼすかを調査・評価するわけです。
この調査までごみの量が横ばいだった場合、焼却場の規模も大きくなります。建設費にも数十億単位で違いが出るんですね。
その環境、アセ？なんとかの前にごみを減らさないとたくさん建設費がかかるってことですね、ヤバいじゃないですか！
それを見越してごみの減量を促進していきたい、というのが今回のタイミングでごみ袋有料化に踏み切った要因のひとつですね。
ためになるな〜！
でもまだまだ聞きたいことはたくさんあるんですよ！！！
後編へ続く…
前編のまとめ
・有料化の目的はごみの「減量」と「資源化」の促進・他の中核市よりも金沢はごみの量が多く、資源化率は低い
・このまま捨て続けると金沢の自然は減っていく！
後編はお金のことについて聞いてきました！
暮らしに直結する家庭ごみの有料化について、まだまだ気になることはいっぱい。
後編は「お金」についてのインタビュー。
有料化したごみ袋の売り上げの使い道や、ごみ袋の値段設定についてなどをお伺いしてきました！
